2007年 9月 の記事

政治任用と役人の役割について

渡辺喜美行政改革相は27日、日本経済新聞のインタビューで、国家公務員一種試験の合格者が幹部に就くキャリア制を廃止すべきだと表明した。「一種、二種という分け方は時代遅れ」と指摘。能力や実績で昇進が決まる新たな人事制度の導入に意欲を示した。
政府は来年の通常国会に国家公務員制度改革基本法案(仮称)を提出する方針。行革相は(1)政治任用の拡大(2)首相官邸や閣僚を支える「国家戦略スタッフ」の制度化(3)複数の省庁にまたがる人事制度を一元化する組織の設立――などを盛り込みたいとの考えを示した。民主党とのすり合わせに関しては「国会に出す前は難しい」と述べた。(07:02)
国家公務員キャリア制度を廃止・行革相表明 – 日経

政治任用についての報道を目にすると、官庁訪問で同じ訪問者が語った議論を思い出す。彼曰く、

政治家は選挙というプロセスがあるから、現在世代の「世論」を反映した政策運営をしなくてはいけない。その意味で政治家は現在世代に対する責任を負うことになるし、現在世代に選出された以上はそうあるべきだ。一方、官庁には選挙というプロセスが無いからこそ、現在世代の「世論」からは一定程度距離を置き、将来世代のことを考えた政策運営ができる。ある政策が現在世代と将来世代に対して影響を及ぼすようなとき、現在世代の利益を代弁して、政策の帰結について現在世代に対する責任を負うのは政治家である。政策決定に対して発言権を持たない将来世代の利益を代弁し、政策の帰結について将来世代に対し責任を負うのは、現在世代からある程度フリーハンドである官庁の役目であるべき。だから政治任用には反対だ。

この政治と行政の役割分担の議論は「いつの時代の官僚だ。傲慢だ。」と言われかねないだろうが、「役人は判断材料を政治家に上げればよい。物を決めるのは政治家の役目」などという政治任用に関する空疎で安易な議論よりもずっと共感を覚えるし、仕事をする上での矜持として責任感を感じさせられる。役人が仕えるべき公とは、必ずしも政治家その人やその時代の空気ではない。

彼はある経済官庁に入った。いまごろ、どんな仕事をしているんだろう。

コラムニストの届かない言葉

石原さんはJ-CASTニュースに対し、「アベする」という言葉を「流行語」と紹介したことについて、

「(「アベする」を聞いたのが)朝日新聞社内というこということではない。何だったのかは覚えていないが雑誌の見出しにもなっていたし、何人からも聞いた」

と述べている。また、自身のブログが「炎上」していることについては、次のように述べている。

「たくさんのエネルギーを使っていただいて」
「私が何かを言ったところで、書き込んでいる人には届かないと思うので、何も言うつもりはありません」

「アベする」は流行語?騒動 コラムニストブログ「炎上」

何かを言っても言わなくても、この人の言葉は、今後もう誰にも届かないんじゃないだろうか。コミュニケーションの断絶とは、相手にされなくなるとだ。

福岡伸一 生物と無生物のあいだ

世間からはだいぶ遅れた感があるものの、発売直後に購入したまま積んであった生物と無生物のあいだ」を読了。応用生命を専攻の連れが先に読んでたので感想を聞いたら「なんつーか、まー、ふつー。」と言っていたが、自分は「生物」が義務教育で終わってしまっているので、刺激的な読み物だった。

生物と無生物を隔てるものという本書タイトルの問いの答えもさることながら、本書に出てくる分子生物学の考え方を実に面白い。本書で書かれている動的平衡という考え方は本来的には思いっきり生命科学の話なんだろうが、帯の内田樹氏のセリフのように、むしろ人間社会を見る視点のように思える。遺伝子のノックアウトが補完されるところの記述などは、もう社会システムそのものの記述だと言われても疑問に思わないだろう。

本来専門的なハズのネタをコレだけ「読ませる」というのは、学術関係の新書は数あれどそうは無い。かなりオススメ。

生物と無生物のあいだ
福岡 伸一著
発売日:2007.5
出版社:講談社
価格:\777
ISBN:4061498916

プラネットアースDVDの内外価格差

もう先週のネタだけど、

NHKの関連団体が2005年度にNHKなどとの取引で得た利益のうち、剰余金が総額886億円に上っていたことが、会計検査院の調べでわかった。
(中略)
剰余金が多かったのは、番組制作会社「NHKエンタープライズ」の155億円、出版社「日本放送出版協会」の127億円、放送設備会社「NHKアイテック」の114億円など。
NHK関連団体の剰余金886億円、検査院が改善求める

というニュース。NHKエンタの高収益で一番に思い浮かんだのが、NHKエンタープライズがBBCとDiscovery Channelと共同製作した「プラネットアース」DVDの内外価格差である。3カ国で同じコンテンツが売られているので、日本の(一部)コンテンツの価格設定がすごくアレなことが明確に。以下、英米日の値段を比較($と£の¥換算は9月20日、googleでの換算値)。

定価で約4.7倍以上、Amazonでは約6倍の内外価格差って、それはちょっとぼりすぎだろうwソフトをこういう価格設定で売ってるんだから儲かるはずである。自分が買うなら、どうせPCで見るんだからBBC版だな。

  1. NHKエンタープライズが制作、ジェネオン・エンターテイメントという広告代理店の子会社が発売元らしい。 []

新海誠の長野県限定CM

あの新海誠氏が信濃毎日新聞のCMをアニメで作ったというのをさっき知った。地上放送で放送で流してるのは当然長野県内だけだが、新聞社のサイトにmpegで置いてあるので県外からでも見れる。

ご本人が長野県出身ということで、背景も女の子の制服も完全に地元色たっぷり。贅沢かつ秀逸なCMで、「信毎読めっつーの」というオバハンの声で説教されるような従来のCMと比べると、CM自体の魅力も、その宣伝効果も比較できない。

シチュエーションは、東京への単身赴任のため新幹線の駅に向かう父を追いかける娘といったところ?
「遠い日2007」Ver.1
「遠い日2007」Ver.2

CONTENT’S FUTUREのクリエイティブ・コモンズ性

先だって感想エントリを書いたCONTENT’S FUTURE関連のトラブル。発信源は巡回先のそこかしこのブログのコメント欄で議論をしかけているのをよく見かける大野氏。彼が「CONTENT’S FUTUREをスキャンしてウェブにアップロードする!」と宣言した時点で、痛いことになりそうだったので経過をヲチしていたら、案の定。

津田氏との電子メールの履歴

<以下、メールのやりとりの自分のためのてきとーな要約とメモ>

大野:CCライセンス(改変禁止)がついてたのでスキャン→OCR→テキスト化してアップロード

津田:「誤植は直してください。改変は禁止です。」

大野:「わざとじゃないです。改変は意図してないです。コンサートで演奏を間違えたからといって、同一性保持権を侵害したわけではないのと一緒です。そういう指摘はどうかと思います。」

津田:「誤植多すぎです。ちゃんと確認する労力くらい払ってください(お願いベース)。」

大野:「これはコモンズなんだから、テキストファイルを公開しないあなたが、誤植を直すという非クリエイティブな労力を利用者である私に要求するなんておかしい。あなたはクリエイティブ・コモンズを誤解している。」

津田:「(;^ω^)」

大野:「繰り返しますが、自分はテキストファイルを持ってるのに公開しないでおいて、OCR結果から誤植を無くせと要望するのは、コモンズの共有を制限することだとみなされますよ?CCライセンスがあなたの目的に合わないのなら、選ばなければよいのです。」

津田:「いや校閲済・印刷版のテキストファイルは持ってないしですけど。どうぞ勝手に共有制限だとみなして下さい。このやりとりを公開してみんなの意見を聞いてみたらいかがですか(;^ω^)」

大野氏、当然のようにはてブで叩かれる。

さて、情報財(に限らないけど)の性質を制約している要素として、CCライセンス提唱者であるローレンス・レッシグの言うところ、法・規範・市場・アーキテクチャの4つがある。CCライセンスってのは、その中の法からのアプローチなわけで、アーキテクチャを紙にすることと、クリエイティブ・コモンズの理念とは二律背反ではないし、(大野氏がどういう意味で「共有」と言っているのか定かではないけれど、一般的な意味の)「共有」とも二律背反ではない。

CCライセンスで法的な側面をクリアにしておいて、今回のようにアーキテクチャやその他の側面から、その情報財のクリエイティブ・コモンズとしての何らかのカタチ・未来像をめざすことは、十分あり得るし、むしろそれが普通ではないか。

CCライセンスをなんか勘違いしてるのか、日ごろからの著作権に対する両者のスタンスの違いがそうさせたのかなんなのか。こんな人にまじめにつきあわせられる津田さんはできた人だよ。

rootkit

○EC社の教育用DVDにrootkitを発見。本当にふざけるなよ、と。保護したいのは分かるが、こういうやり方は無いだろ。

台風の夜

地下鉄に乗ったら、なんと車両の屋根から雨漏りしていた。車掌が床を拭きつつ「ここ雨漏りしてるので注意してくださーい」と注意喚起をしていた。地下鉄なのに天井から雨が漏れてくる、というのに一瞬だけどシュールな感じを覚えた。

家の近くまで来たとき、強風でカサが完全にひっくり返った。カサを完全にひっくり返すなんて久しぶりで多少愉快。

iPod touchが発表された。これで容量が30Gだったら、アップル嫌いだけど、ZEN touchから乗り換えたかもしれない。ここでも同じことを言ってる人がいる。やっぱ30Gはほしい。もうしばらくはお弁当箱プレイヤーで我慢。しかし、わずか数年で同じ「touch」でもすごい進化である。

マイバッハを目撃

麻布十番で路上駐車中のマイバッハ62を初目撃。インカムをした運転手が駐車監視員を避けるためか、張り番をしていた。でかくて高そうな雰囲気を醸し出していた。どんな人物が乗ってるんだろう?

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