渡辺喜美行政改革相は27日、日本経済新聞のインタビューで、国家公務員一種試験の合格者が幹部に就くキャリア制を廃止すべきだと表明した。「一種、二種という分け方は時代遅れ」と指摘。能力や実績で昇進が決まる新たな人事制度の導入に意欲を示した。
政府は来年の通常国会に国家公務員制度改革基本法案(仮称)を提出する方針。行革相は(1)政治任用の拡大(2)首相官邸や閣僚を支える「国家戦略スタッフ」の制度化(3)複数の省庁にまたがる人事制度を一元化する組織の設立――などを盛り込みたいとの考えを示した。民主党とのすり合わせに関しては「国会に出す前は難しい」と述べた。(07:02)
国家公務員キャリア制度を廃止・行革相表明 – 日経

政治任用についての報道を目にすると、官庁訪問で同じ訪問者が語った議論を思い出す。彼曰く、

政治家は選挙というプロセスがあるから、現在世代の「世論」を反映した政策運営をしなくてはいけない。その意味で政治家は現在世代に対する責任を負うことになるし、現在世代に選出された以上はそうあるべきだ。一方、官庁には選挙というプロセスが無いからこそ、現在世代の「世論」からは一定程度距離を置き、将来世代のことを考えた政策運営ができる。ある政策が現在世代と将来世代に対して影響を及ぼすようなとき、現在世代の利益を代弁して、政策の帰結について現在世代に対する責任を負うのは政治家である。政策決定に対して発言権を持たない将来世代の利益を代弁し、政策の帰結について将来世代に対し責任を負うのは、現在世代からある程度フリーハンドである官庁の役目であるべき。だから政治任用には反対だ。

この政治と行政の役割分担の議論は「いつの時代の官僚だ。傲慢だ。」と言われかねないだろうが、「役人は判断材料を政治家に上げればよい。物を決めるのは政治家の役目」などという政治任用に関する空疎で安易な議論よりもずっと共感を覚えるし、仕事をする上での矜持として責任感を感じさせられる。役人が仕えるべき公とは、必ずしも政治家その人やその時代の空気ではない。

彼はある経済官庁に入った。いまごろ、どんな仕事をしているんだろう。