カテゴリー : 行政

にっき@20090603

  • 終日、地方機関とやりとりしながら書類の処理。
  • 言われるがままに勝手なスケジュールを調整せず、さらに悪びれずに投げてくる人に電話でキレてみた。なんでこっちが手とり足とりした上に、身勝手なスケジュールに対応してやらないといかんのかと。
  • 辟易して20:50退庁。
  • この研修、一瞬意味がわからなかったけど、狙いを聞けばなるほどなと。ストーリー作りであり、プレゼンであり、対応相手の反応を見ながらのアドリブでありで、これはわりとツボを突いているような。

    「最近どう?」「研修に来たら、いきなり漫才をやらせる怖い役所で……」。国土交通省は2日、入省4年目の若手官僚の研修に「漫才」を取り入れた。お笑い芸人を指導役に90人余りの若手官僚がその場でコンビを作り、漫才を披露。省内でも「税金の無駄遣い」との批判を懸念する声があったという研修は、果たしてどう生かされるか。講師は吉本興業の芸人ら。せりふのやりとりや観客の反応を読み取ることを通じて、対人能力を高めるのが狙いという。

    なんでやねん!?官僚研修で漫才 – 日経新聞6月3日5面
  • 政治任用と役人の役割について

    渡辺喜美行政改革相は27日、日本経済新聞のインタビューで、国家公務員一種試験の合格者が幹部に就くキャリア制を廃止すべきだと表明した。「一種、二種という分け方は時代遅れ」と指摘。能力や実績で昇進が決まる新たな人事制度の導入に意欲を示した。
    政府は来年の通常国会に国家公務員制度改革基本法案(仮称)を提出する方針。行革相は(1)政治任用の拡大(2)首相官邸や閣僚を支える「国家戦略スタッフ」の制度化(3)複数の省庁にまたがる人事制度を一元化する組織の設立――などを盛り込みたいとの考えを示した。民主党とのすり合わせに関しては「国会に出す前は難しい」と述べた。(07:02)
    国家公務員キャリア制度を廃止・行革相表明 – 日経

    政治任用についての報道を目にすると、官庁訪問で同じ訪問者が語った議論を思い出す。彼曰く、

    政治家は選挙というプロセスがあるから、現在世代の「世論」を反映した政策運営をしなくてはいけない。その意味で政治家は現在世代に対する責任を負うことになるし、現在世代に選出された以上はそうあるべきだ。一方、官庁には選挙というプロセスが無いからこそ、現在世代の「世論」からは一定程度距離を置き、将来世代のことを考えた政策運営ができる。ある政策が現在世代と将来世代に対して影響を及ぼすようなとき、現在世代の利益を代弁して、政策の帰結について現在世代に対する責任を負うのは政治家である。政策決定に対して発言権を持たない将来世代の利益を代弁し、政策の帰結について将来世代に対し責任を負うのは、現在世代からある程度フリーハンドである官庁の役目であるべき。だから政治任用には反対だ。

    この政治と行政の役割分担の議論は「いつの時代の官僚だ。傲慢だ。」と言われかねないだろうが、「役人は判断材料を政治家に上げればよい。物を決めるのは政治家の役目」などという政治任用に関する空疎で安易な議論よりもずっと共感を覚えるし、仕事をする上での矜持として責任感を感じさせられる。役人が仕えるべき公とは、必ずしも政治家その人やその時代の空気ではない。

    彼はある経済官庁に入った。いまごろ、どんな仕事をしているんだろう。

    労働のインセンティブと天下りについて

    内閣人事も終わったところで先週のネタ。

    競争に勝つためにがむしゃらに働く。定時に帰宅することは許されない。翌日の国会質問の内容が分かるまで全員待機。家庭が犠牲になる。政治家に頼まれ質問を作ることもある。ガラの悪い政治家は「便宜を図れ!」と無理難題。ストレスがたまる坂道だ。
    でも次官在職期間はせいぜい2年。後は外郭団体、独立行政法人に天下り。待遇は破格だ。恵まれた生活が保証される。だから我慢したんだ!が本音だろう。
    ところが、その「最後のうまみ」が危うくなった。「押し付け的天下り禁止」を盛り込んだ公務員制度改革関連法案が事務次官会議に掛けずに閣議決定された。質問を作ってもらった政治家たちが反官僚に回る。彼らから情報をもらって商売する新聞、テレビの記者はそろって「天下り反対!」である。(断っておくがテレビ、新聞の幹部は堂々と関連会社に天下っている)
    大きな声では言えないが…:東大卒がいなくなる? 牧太郎 – 毎日新聞

    これは「官僚は出世競争して天下りして老後に多きな所得を得ることをインセンティブにして若いうちからがむしゃらに働いている」という、官僚に対する労働感と天下りに対する典型的な認識である。「本音だろう」って勝手に忖度しないでくれ。私にとっては、老人になってからの所得より今の所得と業務の内容の方が重要だ。

    牧太郎氏自ら、マスコミの幹部の方々は堂々と天下ると認めているが、マスコミの中の人たちは、社内の競争に勝って出世して天下りして、そいで老後の所得を得るために日夜働いていたのか?

    そうなら、全くご苦労なこと。だが、違うとなら、なんで役人のインセンティブだけ「老後の所得」だと断じられるのだ。何かアンケート調査でもやったのか。マスコミが勝手に断じてもっともらしく報道し、それが当のマスコミも含めて人口に膾炙してしまっている。マスコミは、いつまでこのステレオタイプをもとにした報道をし続けるのか。

    東郷和彦 北方領土交渉秘録―失われた五度の機会

    先日、本が好き!というサイトのβ版に登録した。書評をブログで書く代わりに、出版社からその本が貰えるというサイト。ほんでポチっとしたので感想を800字以上で書かないといけないのでアップ。

    北方領土交渉秘録
    東郷 和彦著
    発売日:2007.5
    出版社:新潮社
    価格:\1,890
    ISBN:4103047712

    本書は佐藤優 国家の罠と同じく、あの騒動で外務省から追放された元官僚(当時欧州局長→オランダ大使)の書いた北方領土交渉の本。

    でも、佐藤氏の著書の方が読みやすいし、断然面白い。それは、本書の解説を書く佐藤氏が、自著を「個人にこだわった視座」、本書を「鳥瞰的視座」と表現しているとおり、やはり視点の違いなのだろう。これが「インテリジェント・オフィサー」と「省幹部」との違いか。

    本書は中盤の殆どが北方領土交渉の経緯にあてられているためか、外交をよく知らないでふつーに読み始めると中だるみする(中だるみした)。

    読者が途中で退屈と感じるのではないかという点は佐藤「ラスプーチン」も危惧しており、前提知識のない読者が中だるみしないように巻末の解説で色々と書いてるので、本書をこれから読む人はまず解説を読んだほうがいい。

    本書の佳境である(プーチン現大統領の政界登場以後のロシアとの外交が描かれている)10~13章は一番アツく、ここから最後までは歴史としての北方領土交渉の経緯ではない。東郷氏の北方領土交渉に対する思いと、一連の事件で交渉の枠組みが完全に壊されたことに対する無念さが込められている。勢い、読んでいるこちらとしてもページをめくる手が止まらなくなる。この終盤で、プーチン政権との交渉経緯を通して東郷氏が考えるところとなった、今後とるべきロシア外交のスタンスが集中的に著されており、その説得力には圧倒される。

    新聞や雑誌にも、対ロ北方領土交渉について、様々な議論が掲載されるが、現実を見据えつつ、領土問題をいかに解決していくかという説得力において本書の比肩するものはほとんどないように思う。

    だけど、結局、あの一連の騒動が一体何だったのかは、本書を読んでもいまいち分からない。佐藤氏の言うように、時代のけじめだと言うのも納得しがたい。騒動が沈静化し、追放された立場の人たちが説明をはじめた今こそ、追放した側からの説明も聞きたい。

    「組織の中の意見を集約するのに外の力を使ったから」という組織内部の原因で国の主権に関わる領土交渉が崩壊したんだとしたら、それは本当にアホらしいことである。

    あの当時、本書に書かれているような領土交渉の経緯や考え方が、行政の当事者の立場から多くの国民に理解されていれば、あんな大騒動にはならず、領土交渉は崩壊することなくは順調に進んでいたのかもしれない。

    そういう意味で、外交に限らず、行政は政策決定についての情報をもっとずっと積極的に発信していくべきだとも感じる。これに限らず、行政の意図がよく理解されないままに、一部だけを変にとりあげられてネットで叩かれることはよくある話。

    ネットがまだのどかだったころには、政府機関の職員が業務時間中に実名で掲示板上で政策議論を投稿してたなんてこともあったとか。そこまでいかなくても、何らかの手段で直接的に対話していくのって必要だ。

    とりあえず、各省とも新着情報をフィード配信するくらいのことは最低限やらないといかんのではないか。というかフツーに不便だからフィード配信しましょうよ、広報担当官殿。

    北方領土交渉秘録
    東郷 和彦著
    発売日:2007.5
    出版社:新潮社
    価格:\1,890
    ISBN:4103047712


    北方領土交渉秘録―失われた五度の機会

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    書評/ルポルタージュ

    1. 鈴木宗男氏からの外務省に対する質問趣意書の絨毯爆撃はあいかわらずだが。 []

    天下り全データ~週刊ダイアモンド070623

    今週の週刊ダイアモンドの特集は「天下り全データ」。同業者は皆興味あるんだろう。中吊りを見て買おうと思ったら、庁舎内の売店は売り切れていた。

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